MinopuによるWharton MBA留学記

総合商社にてトレジャリーに配属され為替・デリバティブのトレーダーを経験後、不動産事業投資へ。国内のみならず、海外のJV・アセマネ会社の投資先管理、事業撤退、訴訟を経験したのち、Wharton MBAへ。

人を頼るということ

ここ最近、私が身にしみてMBAに来て良かったと思うことは、「真に人に頼る」というスキルを得られたことだと思っています。

 

前職の時に意識してたことは、自分の知識を深め、専門性を高めるためにもなるべく自分一人で仕事を簡潔させる。ということでした。その結果、メンターだった時ですら、自分の仕事を同僚/後輩とシェアするということへの意識が低かったと思いますし、自分でやった方が早いなと(今思えばめちゃくちゃ傲慢ですが)、自己完結しようとする傾向がありました。

 

更に言えば、「これは私の成果」「私が成し遂げた案件」といえることが会社内で評価されるという風潮があったのも、さらにこの傾向を助長する要因だったとも思います。

 

~教授からの学び∼

今期、Kevin Kaiser教授のShareholders Activism (FNCE 887)という授業を履修しました。初回の授業は

 

Do not trust what I said. "Kevin is always wrong" 

という自己紹介で始まり、本当に驚かされました。

 

教授なのに、どういうことだ、と思ったのですがその後に彼は、「教授と言えども人間なので間違いは必ず起きる。そして、知識がoutdatedになることも当然だ。それゆえに、私も含めて我々はDiscussionを通じて学ぶのである」と我々に彼の考えをシェアあしてくれました。

 

McKinsey、INSEAD MBA、Kellogg/Whartonの教授と輝かしい経歴を持ちながらも、他人(むしろ学生)から学ぶという謙虚な姿勢、そして一人ではなく他人の力を頼ることを意識したそんな瞬間でした。

 

~Wharton外からの学び~

今期から、ECFP(Executive Coach Feedback Program)というWhartonの2年時になると授業外でとれるプログラムも履修し始めています。このプログラムは、Executive Coach(かなりのベテランカウンセラー)と1on1で計7時間(7回)のセッションを通じて個々人のキャリア形成を考える、自分を理解することを目的としています。本プログラムを受ける際には、同僚やクラスメート、友人などから匿名形式でSurveyを実施し、自分の強み、改善点をオープンに指摘を受けることができます。その中でも、私自身は“Delegation”に改善点があることを理解しました。

 

Whartonの授業に加えて、Medical SchoolのMindfulness (MED589)の授業も履修し、Meditation、自己/他人との会話に注力しました。

その中で、「不完全な存在の自分を受け入れても良い」という考えを学べたことは自分の理想像との現実とのギャップからくるストレスにどう向き合うかという課題に対して一歩踏み込めたと感じています。

 

私の友人の中には自分の理想像がしっかりと見えていて、その理想に対して必要なステップをしっかりと理解し、何よりも自分自身で判断できている人もおり、そのような人になれればと何度も思いました。

しかし、授業/プログラムを通じて、自分一人で解決することではなく、人に頼っても良い。むしろ頼ることで私の場合は、自分のビジョンをクリアにでき、一人では成し遂げらなかったことを可能にできると感じ取るようになりました。

 

コールドメール(Linkedin等で見ず知らずの人に連絡を取り、話を聞くこと)や学生としての立場やネットワークをフル活用して、自分のキャリアの考え方を壁打ちする機会を意識的に増やすことができ、この様なメンタリティを持てたことを幸せに感じます。

 

大分スピリチュアルな、ふわふわした話となりましたが、知識の獲得だけでなくMBAというのは自己を見直す本当に良い機会だと、皆さんにお伝えできていれば嬉しい次第です。