Japan Trek Cancellation ~受託責任の重さ~
3月に企画していた本年度のJapan Trek については、コロナウイルスの影響に鑑みて2月末にキャンセルすることになりました。オーガナイザーとしては昨年9月からほぼ隔週で集まり、時間と労力を割いていたことや、いけるのではないかというトレッカーからの期待も最後まであり、辛い決断でした。
多額のキャンセルフィーもあり、全体をキャンセルするまでにはオーガナイザー間でも意見が割れることもあり、議論を重ねていました。
決定要因としては様々な要素がありましたが、
オーガナイザーとして、UPennコミュニティに対する責任が果たせるか
が、議論の最終的な判断のポイントとなっていました。
勿論他にも、
- 他のMBAについてもキャンセルが相次いでいる
- 同時期に開催されるGlobal Moduler Course(Japan)がキャンセル
- 米国政府の日本に対するTravel LevelがLevel2に上がった
ことも考慮ポイントであったものの、いつも議論の終着点は「Japan Trek中にもしもTravel Level 3に上昇し、他国籍の生徒が帰国できなかったらどうするか」、「帰国してから、UPennコミュニティに拡散してしまった場合、説明責任を果たせるか」となっていました。
学校、Wharton Graduate Association (WGA、生徒会)ともトレック企画時には会話を重ねたものの、キャンセルした時のキャンセルフィーの補填については、ゼロ回答。学生の自主的な活動が認められている分、責任も自分たちで負うという当然の原理原則の辛さを思い知ったときでした。
コロナウイルスが発症したタイミングにて、途中キャンセルを可能とし、キャンセル料を提示した際には「キャンセルフィーが高すぎる」といった批判も受けていたことから、全体キャンセル時にも批判を受けることは目に見えていました。
全体キャンセルを決定した際には、他校とも連携しながら交渉し、結果としてはトレッカーの満足いくであろう水準まで抑えられたことは嬉しく思いましたが、交渉過程でのトレッカーからの「いつ返金額が決定するのか」と矢継ぎ早に問い合わせを受けた際には、今後のオーガナイザーとしてのレピュテーションがどうなるか、また旅行代理店との交渉の進捗が芳しくないタイミングであったことも重なり、久しぶりの胃腸炎を発症したほどでした(前回は、前職時の予算・経営計画時でした)。
「他人の資金を預かる」ことの責任の重さについて痛感した次第です。
MBA前にもファンドビジネスを担っていた自分として、「受託者責任」を再認識し、今後も忘れてはならないことの一つだなと心に刻んだ経験となりました。